「硬派なメディア」としてのBuzzFeedについて
2つの記事をまとめてご紹介。1つはBuzzFeedは巨大であるが、新聞のようなインパクトを生み出していないという、英ガーディアン紙に掲載された論考です。
しかし、こうしたすでに何百回も繰り返された主張は、事実ではないと思います。すなわち、BuzzFeedはこのまま会社として成長を続けることができれば、彼らは既存のジャーナリズムに方を並べるくらい、大きなインパクトを生み出せるはずです。
その一例が、BuzzFeedに掲載されたこちらの記事です。
チャールストン教会銃乱射事件の犯人とRedditコミュニティーについて、細かく追っています。 こちらの内容は、まだ未確認な情報も多そうなので深くは立ち入りませんが、ボストンマラソン爆破事件など、アメリカで起きるテロ・銃乱射事件において、犯人によるネットでの発言に注目が集まるケースも少なくありません。
もちろん既存メディアもそういった話題をカバーしていますが、やはりBuzzFeedはこうした分野が得意だという印象です。
今後は、ネットの書き込みやYoutubeにアップされた動画を分析したジャーナリズムがもっと増えるでしょう。 そうした際に、BuzzFeedがより存在感を発揮していくことは明白ですし、単なる猫メディアを超えたインパクトを生み出すはずです。
とはいえ、何度も書いているように、それはBuzzFeed礼讃とは異なります。彼らのネイティブ広告は本質的にジャーナリズムと相性の悪い部分がありますし、彼らが硬派なメディアとしてはまだまだであることも事実です。
しかしひとつ確かなことは、ネットメディアにしばらくVCマネーが流れている間、彼らは「硬派なメディア」として、金銭面以外での大きなインパクトを生み出すチャンスを与えられているということです。
オールドメディアが苦しんでいる間にも、彼らは大量の資本によって、そういった挑戦ができる執行猶予を持っているのです。