MEDIA HACK [メディアハック]

海外メディアの動向をお伝えするメディア [メディアハック]

国際テロ組織ISIS、ロシア語のチャンネルを開設

いわゆる主流の「メディア」の話ではありませんが、国際テロ組織ISISが、ロシア語のチャンネルを開設したという話題。

ISISといえば、「欧米の若者を惹きつけている」というイメージが強いですが、実際にはアメリカ・ヨーロッパからわざわざ渡航してきて、組織に参加する割合は、全体の中でそれほど大きいわけではありません。

しかし、旧ソ連圏からISISに参加する若者は、組織の中でも注目すべき勢力です。実際に、子供を使った残酷な映像の中には、しばしばロシアからやってきたと自称する者もおり、その存在は目立っています。

最近では勢力の弱体化が指摘されることもありますが、こうした中で、ISISがロシア語圏に住む若者のリクルートを強化しようとするのは、自然な流れです。

記事の中でも触れられていますが、コーカサス地域は長年にわたって政情が不安定だった経緯があります。チェチェンアゼルバイジャン、そしてアルメニアなどで、しばしば紛争やテロが起きてきたことは、よく知られているかもしれません。

こちらのGuardianの記事には、こうした地域でのテロリストの活動などがまとめられているので、非常に興味深いですが、メディアという観点から、ISISがどういう広報戦略をとっているか?という点については、個人的に、もう少し追っていきたいと思います。

www.theguardian.com

Snapchat、Discoverのデザインを変更

少しバタバタしており、時間が空いてしまいました。 Snapchatが、Discoverのデザインを変更。

ナショナルジオグラフィック、ヤフー、そしてMTVやワーナー・ミュージック・グループなどがクライアントに入っているDiscoverですが、ユーザーの目に触れにくい部分にあったのも事実でした。 今後、こうした体験を変えることでより広告価値を高めていきたいようです。

しかし一方で、Discoverには「訴求力が下がってきたのでは?」という噂もあります。

ソーシャルメディアの新陳代謝は非常に早いわけです。それは若いユーザーを惹きつけていれば惹きつけているほど、「もうこんなアプリを使うようなガキじゃないよ」とか「お前、まだスナチャ使ってるの?」と言われる可能性が高まるわけです。

その意味で、インフラ路線に進むことで、安定した広告システムとユーザーの定着化を進めたFacebookは、この分野にしては珍しく、そのリスクから逃れました。

果たしてスナチャはどうなるのでしょうか?Discoverの動きは、そのリトマス紙になっていくかもしれません。

www.theguardian.com

Vice Sports、オバマ大統領の元付き人を雇用

Vice Sportsが、オバマ大統領の付き人をしていた Reggie Love氏を雇用。

同氏は、オバマ大統領の長年にわたる個人的な補佐官として活躍して、デューク大学の元サッカー・バスケットボール選手として、アメリカではちょっとした有名人です。

オバマ大統領のiPodに曲を入れていたのもLove氏だったとか。 それはさておき、アメリカでは「新興メディア」といえども、政府との距離が近い点が特徴的です。

念のために言っておくと、これは「仲良し」という意味ではなく、政府も積極的に新興メディアを使って、有権者とのコミュニケーションを図ろうとしているという意味です。 まあ、そもそもViceは「新興」ではないのですが(Vice自体の設立は、1994年です)。

VoxやBuzzFeedが、オバマ大統領への単独インタビューをおこなったこと、そこで動画がメイン媒体として使われたことは記憶に新しいですね。 日本でも先日、安倍首相がニコニコ動画に出演していましたが、それ以外のネットメディアで、単独インタビューに応えるイメージはわき辛いかもしれません。

 

www.breitbart.com

Netflixのユーザー、2020年には9400万人に増加する見込み

Netflixのユーザーは、現在の8000万人から2020年には9400万人に増加する見込み。野村のアナリストであるAnthony DiClemente氏の予想。

これによって、中国はNetflixにとって最大の国際マーケットになるとのことです。他にもカナダ・ブラジル・ドイツ・メキシコ・英国などでは、35~40%のユーザー増が見込まれているとのこと。

この話と直接的には関係のない話ですが、現在アリババ社のデジタルエンターテインメント部門を率いているパトリック・リウ氏が中国当局に拘束されています。 アリババによれば、これは同氏が VPを務めていたテンセントにいた時の問題が関係しているそうで、「アリババとは無関係」だということです。

とはいえ、アリババ社は株価が下落中。 TwitterFacebookを見てもわかるように、中国展開は様々なリスクを孕んでいます。

特に政府との関係という意味では、欧米諸国での展開とは、また違った前提・ノウハウが求められそうです。 こうしたことも含め、Netflixの中国展開の成否は気になるところ。

www.hollywoodreporter.com

GoPro、Huluのコンテンツディレクターを採用

日本のメディアにも出てましたが、GoProがHuluのコンテンツ部門を率いてたCharlotte Koh氏を採用。

GoProは、ESPN とか NHL みたいなメディアとパートナーシップを結んでいます。要は、選手にGoProをつけてエキサイティングな中継をしちゃうぜ!みたいな感じです。

GoProは、エクストリーム・スポーツに協賛つけまくって、「クールなイケてるスポーツには欠かせないドリンク!」みたいなポジションを確立したRedbullみたいなブランディングを狙っています。

その意味で、がっつりメディアと組んで、オリジナル・コンテンツをつくっていくのは欠かせない戦略なわけです。

variety.com

Upworthy、コンテンツの"バイラル"から制作へとシフト

Upworthyが、"バイラルメディア"からコンテンツ制作へと移行。

最近あまり話題を耳にすることがなかったUpworthyですが、どうやらコンテンツ制作を強化するそうです。 これまで社会的なコンテンツの拡散に重きを置いてきた同社ですが、これからは自身でコンテンツを作っていくよう。

すでに彼らのYouTubeチャンネルには、22のオリジナル動画がアップされています。

www.youtube.com

共同創業者のPeter Koechleyによれば、彼らがベンチマークにしているのは、Netflixだそうです。

しかし正直なところ、BuzzFeedなんかと比べて、Upworthyが素早い打ち手を繰り出されているかという点については、微妙なところだと思います。実際、BFでも社会的なコンテンツは見れるわけで、Netflixのように課金してでも見たいコンテンツが、社会派コンテンツから生まれるとは思えにくいからです。

もちろん、スポンサードで動画を作っていくことはできるでしょうが、それがスケーラビリティのあるビジネスになるか、という問題もあります。 その意味で、Upworthyの今後の打ち手には要注目です。

www.theguardian.com

人気YouTuber、PewDiePie氏の今期利益 $7.4m(約9億円)

YouTuberとして世界トップの地位を守っているPewDiePie氏の今年の利益は、$7.4m(約9億円)。

前年比のほぼ倍にあたりますが、これに対して早速批判も集まっているよう。これまでこうした声に特にリアクションを見せることもなかった同氏ですが、「お金について話そう」という動画を公開しました。

www.youtube.com

ちなみに彼の本名はFelix Kjellberg氏。25歳のスウェーデン人で、収益の一部をチャリティへと寄付しています。

www.theguardian.com